委員会で調査審議すること(法令で決まっている)
委員会で話し合うことは、法律と規則で決められています。毎月の議題は、この中から選んで組み立てます。

衛生委員会
労働安全衛生法第18条で、次のことを調査審議し、事業者に意見を述べるとされています。
- 労働者の健康障害を防止するための基本となる対策
- 労働者の健康の保持増進を図るための基本となる対策
- 労働災害の原因と再発防止対策のうち、衛生に関すること
- そのほか、健康障害の防止と健康の保持増進に関する重要事項
4の「重要事項」には、労働安全衛生規則第22条で次のことが含まれるとされています。
- 衛生に関する規程の作成
- 危険性・有害性の調査(リスクアセスメント)と、その結果にもとづく措置のうち、衛生に関すること
- 安全衛生に関する計画(衛生の部分)の作成・実施・評価・改善
- 衛生教育の実施計画の作成
- 化学物質の有害性の調査と、その結果への対策
- 作業環境測定の結果と、その評価にもとづく対策
- 健康診断などの結果と、その結果への対策
- 健康の保持増進のための措置の実施計画の作成
- 長時間労働による健康障害の防止対策
- 労働者の心の健康の保持増進対策
- 化学物質(リスクアセスメント対象物)にさらされる程度を減らす措置と、それに関する医師・歯科医師の健康診断の実施(労働安全衛生規則第577条の2)
- 労働基準監督署などから文書で受けた命令・指示・勧告・指導のうち、健康障害の防止に関すること
安全委員会
労働安全衛生法第17条で、危険を防止するための基本となる対策、労働災害の原因と再発防止対策のうち安全に関すること、そのほか危険の防止に関する重要事項を調査審議するとされています。重要事項には、労働安全衛生規則第21条で、安全に関する規程の作成、リスクアセスメントとその結果にもとづく措置のうち安全に関すること、安全衛生に関する計画(安全の部分)の作成・実施・評価・改善、安全教育の実施計画の作成、行政機関から文書で受けた指導などのうち危険の防止に関することが含まれるとされています。
安全衛生委員会では、両方を合わせて扱います。規則第22条の項目は、法律第18条の「重要事項」に含まれるものです。法律が挙げる基本的な対策や再発防止対策も、あわせて調査審議の対象です。
このうち、安全ヨシで扱えること
衛生委員会の12項目(労働安全衛生規則第22条)について、安全ヨシで記録や資料にできるものを整理しました。アプリで扱わないものは、会社の規程や、産業医・健康診断機関との仕組みで進めます。
| 項目 | 安全ヨシ | できること |
|---|---|---|
| 1 衛生に関する規程の作成 | ― | 扱いません |
| 2 リスクアセスメントと措置(衛生) | △ | 職場で見つけた危険(転倒、暑さ、作業姿勢など)について、リスク評価・対策・完了後の見直しを記録し、委員会の資料にします。化学物質のばく露、騒音・粉じん、作業環境測定、特殊健康診断などの労働衛生の評価には対応していません。これらは専用の方法で行ってください |
| 3 安全衛生計画の作成・実施・評価・改善 | ◯ | 年間計画書(様式3-2 に準じた Excel)に、計画・実績・判定が月ごとに入ります |
| 4 衛生教育の実施計画 | △ | 年間計画に「作業者教育」の行があり、計画と実績を手で入れられます。KYT の実施記録も残せます |
| 5 化学物質の有害性の調査と対策 | ― | 扱いません |
| 6 作業環境測定の結果と対策 | ― | 扱いません |
| 7 健康診断などの結果と対策 | △ | 年間計画に「定期・特殊健康診断の実施」の行があり、実施の計画と実績を手で入れられます。健康診断の結果そのものは扱いません |
| 8 健康の保持増進の実施計画 | ― | 扱いません |
| 9 長時間労働による健康障害の防止 | ― | 扱いません |
| 10 心の健康の保持増進 | ― | 扱いません |
| 11 化学物質(リスクアセスメント対象物)のばく露を減らす措置と健康診断 | ― | 扱いません |
| 12 行政機関からの文書での指導など | ― | 扱いません |
健康に関する項目は、個人が分からない形で話し合います。健康診断の結果、長時間労働、心の健康などは、集計した数や会社としての対策を中心に審議し、個人の診断名や検査値、ストレスチェックの結果を委員会の資料や議事録に書かないようにします。個人の健康情報は、利用目的と見られる人を決めて、別に管理します。
法律の項目のうち「労働災害の原因と再発防止対策」は、ヒヤリハットの記録と、ほかの職場への横展開で扱えます。衛生管理者の毎週の巡視の記録も、委員会の資料にまとめられます。
◯ 記録して委員会の資料にできる △ 一部だけ扱える(中身は表の説明のとおり) ― アプリでは扱わない
毎月の議題の例
毎月の会議は、決まった流れにしておくと準備が楽になります。次は一例です。
- 前回の宿題の確認前回決めた対策が済んだか。
- 労働災害・ヒヤリハットの報告先月の件数と主な内容、とった対策(ヒヤリハット報告書の書き方)。
- 職場巡視の結果衛生管理者・産業医の巡視で見つかったことと、その後の対応(衛生管理者の職場巡視)。
- リスクアセスメントと対策の進み具合見積もったリスク、残っている対策、期限を過ぎたもの(リスクアセスメントのやり方)。
- 横展開ある職場で効いた対策や、起きた災害・ヒヤリハットの再発防止策を、ほかの職場にも広げるかを決めます(横展開のしかた)。
- 健康管理健康診断の結果への対応、長時間労働、心の健康づくり。
- 季節の取り組みと年間計画暑さ対策や感染症対策、年間計画の進み具合。会社が来年度の予算を決める時期の前には、費用のかかる対策を洗い出し、予算に入れるものを話し合います。
- 産業医からの助言、次回までの宿題だれが、いつまでに、何をするかを決めます。
議事録に書くこと
重要な議事の記録は、3年間保存します(開催と記録の決まり)。議事録には、次のことを書いておきます。
- 開催日時、場所、出席者
- 議題と、話し合った内容
- 決まったこと(だれが、いつまでに、何をするか)
- 次回に確認すること
報告に使った資料(ヒヤリハットの一覧、巡視の記録、対策の進み具合など)を別紙として付けておくと、議事録が短く済み、あとから見返すときにも役立ちます。

調査審議事項を毎回並べ、扱ったかどうかを書き分ける
議事録の項目を、上の調査審議事項に合わせて毎回並べておき、項目ごとにその月の扱いを書き分ける習慣をつけておくと、抜けに気づきやすくなります。法令の決まりではなく、続けやすくするための工夫です。毎月すべての項目を審議しなければならない、という意味ではありません。
| 書き方 | 使うとき |
|---|---|
| 審議した | その月に話し合った。内容と決まったことを書く |
| 該当なし(理由) | その月は対象になる出来事がなかった。理由を一言添える(例:作業環境測定の実施月ではない) |
| 次回扱う | 話題はあるが、今月は扱えなかった。次の委員会に回す |
| 別に管理 | 個人の健康情報など、委員会とは別の場で扱っている |
「扱わなかった」のか「対象がなかった」のかが、あとから見ても分かります。健康診断の結果への対応や長時間労働のように毎月は話題にならない項目も、忘れずに年に何度か取り上げられます。
議事録の書き方の例(抜粋)
- 2 リスクアセスメントと措置:審議した。第2倉庫出入口の転倒のおそれ(Ⅳ→Ⅲ)。マットと滑り止めシートを敷いた。雨の日に効果を確かめる
- 5 有害性の調査と対策:該当なし(新しく使い始めた化学物質はない)
- 6 作業環境測定の結果と対策:該当なし(今月は測定の実施月ではない)
- 7 健康診断などの結果と対策:次回扱う(定期健康診断を来月実施。結果の集計を受けて審議)
安全ヨシでは
- 委員会の別紙を Excel で作れます。対象の月と範囲を選ぶと、表紙、気づき・ヒヤリハット一覧、リスク評価の進捗、KYT 実施記録、5S・3T 改善一覧、巡視記録、未完了の対策、申し送り、社内横展開の候補、写真台帳のシートにまとめます。
- 説明用の PowerPoint も作れます。リスク評価は1件ごとに「対象・現状の評価・対策案・対策後」のスライドにします。
- 写真ごとまとめて渡せます。Excel・PowerPoint・写真を1つの ZIP にできます。
- 年間計画も管理できます。年間の安全衛生計画を、計画・実績・判定の3段の Excel にできます。
- 練習用のデータには印が付きます。練習用(デモ)のデータを表示しているときは、書き出す前に確認が出て、ファイル名や Excel の表紙に印が付きます。本番の資料は、設定でデモを非表示にしてから作ります。
App Store で近日公開
出典
- 厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署「安全衛生委員会を設置しましょう」(兵庫労働局 掲載)
https://jsite.mhlw.go.jp/hyogo-roudoukyoku/content/contents/001324367.pdf - e-Gov 法令検索「労働安全衛生法」(第17条・第18条:調査審議事項)
https://laws.e-gov.go.jp/law/347AC0000000057 - e-Gov 法令検索「労働安全衛生規則」(第21条〜第23条、第577条の2)
https://laws.e-gov.go.jp/law/347M50002000032
議題と議事録の例は一例です。個別の事業場で法令上どのような対応が必要かは、所轄の労働基準監督署や専門家にご確認ください。
