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ヒヤリハット報告書の書き方

けがには至らなかったけれど「ヒヤリ」「ハッ」とした出来事を記録して、災害を防ぐための報告書です。何を書けばよいかを、書き方の例と、報告を続けるコツと合わせて説明します。

最終更新日:2026年10月17日

なぜ集めるのか

ヒヤリハットは、仕事中に、もう少しでけがをするところだった出来事のことです。

よく知られた「ハインリッヒの法則(1:29:300)」は、同じ人が起こした330件の災害のうち、1件が重い災害なら、29件は軽いけが、300件はけがのない事故だった、という分析です。数字そのものより、重い災害の手前には、けがにならなかった出来事がたくさんある、という考え方が大切です。けがのない段階で拾い上げて、すばやく対策することが、重い災害の予防につながります。

実際に起きた出来事だけでなく、「このままだと危ない」と作業の前に感じたこと(想定ヒヤリ、危険予知)も報告の対象にすると、集まる件数が増え、危険に気づく力も高まります。

報告書に書く項目

新潟労働局のサイトに掲載されている、報告制度の導入例では、次のような項目が挙げられています。

項目書くこと
所属・氏名報告した人
日時いつ起きたか(感じたか)
場所・作業どこで、何の作業をしていたか
何があったかヒヤリとした出来事、危険を感じたことの中身
問題点作業環境、設備・機器、作業方法、自分の状態(よく見えなかった、あわてていた、疲れていた など)のどこに問題があったか
今後の対策こうすれば防げる、という希望
種別実際に起きたヒヤリハットか、想定ヒヤリか

安全管理者などがコメントや対策を書く欄を、報告者の欄とは分けて設けておくと、そのまま検討に使えます。

書き方のコツ

  • 5W1H で書く。いつ、どこで、誰が、何をしていて、なぜ、どうなりそうだったかを書くと、読んだ人が状況を思い浮かべられます。
  • 「どんなけがになりえたか」まで書く。転倒、はさまれ、墜落などの事故の型と、けがをしそうだった体の部位を書くと、重さの見当がつきます。
  • 事実と、自分の考えを分ける。見たこと・起きたことを先に書き、原因の考えや対策の希望はあとの欄に書きます。
  • 原因を人だけにしない。「不注意だった」で終わらせず、床、設備、置き場所、手順、時間に追われていなかったかなど、環境や仕組みの側も見ます。
  • 短くてよい。わかる範囲で書けば十分です。空欄があってもかまいません。

書き方の例

伝わりにくい例

倉庫で滑ってヒヤッとした。今後は気をつける。

伝わる例

  • いつ・どこで:10月15日 16時ごろ、第2倉庫の出入口付近
  • 何をしていて:台車で段ボール箱を運び入れていたとき
  • 何があったか:床が濡れていて足が滑り、台車の取っ手につかまって転ばずに済んだ
  • どうなりえたか:転倒して、腰や手首を打つおそれがあった(事故の型:転倒)
  • 問題点:雨の日は出入口に水が入り込む。マットが敷かれていない
  • 対策の希望:出入口に吸水マットを敷く。雨の日は始業前に床を拭く

報告を続けるコツ

  • 報告した人を責めない。これを職場の約束として決め、守ります。責められると、報告は出なくなります。
  • 手順どおりでなかった報告も、手順を見直すきっかけにする。手順書に無理がなかったかを考えます。
  • 書きやすくする。空欄があっても出してよいことにし、わからないところはあとで聞きます。職長が聞き取って代わりに書いてもかまいません。
  • 朝礼などで繰り返し呼びかける。
  • 出した結果を返す。どんな対策をとったかを報告した人と職場に伝えると、次の報告につながります。

集めたあとの使い方

  1. 安全担当がコメントを書く内容を確かめ、足りない情報を聞き取ります。
  2. 関係者で対策を考える重いけがにつながりそうなものは、リスクアセスメントで見積もり、優先順位を決めます。
  3. 全員に知らせる朝礼や掲示で共有します。KYT の題材にするのも効果的です。
  4. ほかの職場にも広げる(横展開)同じ危険がほかの場所にないかを確かめ、改善の例を社内で共有します。

厚生労働省の「職場のあんぜんサイト」には、イラスト付きのヒヤリ・ハット事例が多数掲載されています。朝礼や教育の題材に使えます。

安全ヨシでは

  • その場で、スマホで書けます。「危険予知(作業前の予測)」か「ヒヤリハット(起きた出来事)」かを選び、写真を2枚まで(近くと全体)添えられます。
  • 5W1H を順に入れるだけで文章になります。いつ・どこで・誰が・何の作業・なぜ・どのように、を入れると「〜のため、〜するおそれがある」の文を組み立てます。必ず選ぶのは事故の型だけです。
  • 報告書の項目もそろっています。作業環境・設備機器・作業方法・自分自身の問題(12のチェック)と、今後の対策を入力でき、想定ヒヤリとしても報告できます。
  • 報告書をファイルにできます。ヒヤリハット報告書を Word やスライドに書き出せます。
  • そのまま次へ進めます。同じ記録から、リスク評価、KYT 4ラウンド、5S・3T の改善記録に広げられます。

App Store で近日公開

出典

  1. 厚生労働省 職場のあんぜんサイト 安全衛生キーワード「ハインリッヒの法則」
    https://anzeninfo.mhlw.go.jp/yougo/yougo24_1.html
  2. 新潟労働局 掲載資料「ヒヤリハット事例・想定ヒヤリ 報告制度の導入について(例)」
    https://jsite.mhlw.go.jp/niigata-roudoukyoku/…/260711_04hiyarihatto_houkokuseido.pdf
  3. 厚生労働省 職場のあんぜんサイト「ヒヤリ・ハット事例」
    https://anzeninfo.mhlw.go.jp/hiyari/anrdh00.html

書き方の例は説明のために作ったものです。