どんな作業が非定常作業か
ヒヤリハットの報告では、そのときふだんどおりの作業(定常作業)をしていたのか、ふだんと違う作業(非定常作業)をしていたのかも書いておきます。同じ場所・同じ機械でも、非定常作業のときは危険の中身が変わるからです。

| 区分 | どんな作業か |
|---|---|
| 定常作業 | 毎日・毎回、決まった手順でくり返す作業 例:手順書どおりの機械の運転、荷の積み下ろし、検品、ピッキング |
| 非定常作業 | 保守作業やトラブルへの対処など、ふだんの作業と違う作業 例:機械の修理・点検、詰まりや故障への対応、段取り替え、機械の掃除、試運転、応援や臨時の作業、緊急時の対応 |
非定常作業が危ない理由

厚生労働省の職場のあんぜんサイトは、非定常作業が危ない理由として、次のような点を挙げています。
- 日常的にくり返す作業ではないので、作業する人が慣れる機会が少ない
- 十分な時間がないまま行われがちで、設備の面や管理の面での事前の検討が足りなくなりやすい
- 製造と保全など、いくつかの部門にまたがることが多く、打ち合わせが足りずに指示があいまいになりやすい
非定常作業には、作業手順書が決まっていないことも多くあります。
機械の掃除や修理のときの決まり
法令の決まり:機械の掃除、給油、検査、修理、調整の作業で、労働者に危険を及ぼすおそれがあるときは、機械の運転を止めなければなりません(刃物の部分は第108条)。止めたあとは、起動装置に錠を掛ける、表示板を付けるなどして、作業する人以外が機械を動かせないようにします。運転したまま作業しなければならないときは、危険な箇所に覆いを設けるなどの措置をとります(労働安全衛生規則第107条)。
リスクアセスメントでも洗い出す
リスクアセスメントの指針は、定常的な作業の資料だけでなく、非定常作業の資料も集めるよう求めています(指針7(1))。施行通達では、ここでいう非定常作業に、機械設備の保守点検や補修の作業と、予見される緊急事態への対応も含むとされています。手順書がない作業ほど抜けやすいので、修理・段取り替え・トラブル対応も洗い出します(リスクアセスメントのつまずきやすいところ)。
ふだんの工夫
次の工夫をおすすめします。法令の決まりではなく、続けやすくするための工夫です。
- 報告のたびに、どちらかを選ぶ。迷ったら「ふだんの手順書どおりの作業だったか」で分けます。
- 非定常作業の前には、短くても KYT を。作業の前に、どこが危ないか、機械をどう止めるかを確かめます。
- 委員会では、非定常作業のヒヤリを分けて数える。何度も出てくる非定常作業は、手順書を作る候補です。
安全ヨシでは
- 定常作業か非定常作業かを選べます。気づきの入力の「作業区分」で、通常作業(定常作業)か非定常作業かを選びます。報告書の「定常作業・非定常作業」に○が付き、委員会の Excel の一覧にも「非定常作業」の列で出ます。
- 同じ記録から、KYT やリスク評価に進めます。非定常作業の気づきを、そのまま KYT 4ラウンドやリスク評価に広げられます。
App Store で近日公開
出典
- 厚生労働省 職場のあんぜんサイト 安全衛生キーワード「非定常作業」
https://anzeninfo.mhlw.go.jp/yougo/yougo25_1.html - 労働安全衛生規則 第107条(掃除等の場合の運転停止等)・第108条(e-Gov 法令検索)
https://laws.e-gov.go.jp/law/347M50002000032 - 厚生労働省「危険性又は有害性等の調査等に関する指針」7(1)
https://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/03/h0310-1a.html - 愛知労働局 掲載資料「危険性又は有害性等の調査等に関する指針 同解説」(指針7(1)、施行通達7(2))
https://jsite.mhlw.go.jp/aichi-roudoukyoku/…/kikenyuugaityousasisin-kaisetu.pdf
このページは一般的な考え方の解説です。個別の事業場で法令上どのような対応が必要かは、所轄の労働基準監督署や専門家にご確認ください。
