横展開とは
ある職場で見つかった危険、起きた災害やヒヤリハット、効果のあった対策を、同じ設備・作業・環境のあるほかの職場(部署や事業所)にも当てはめて確かめ、必要な対策を広げることです。「水平展開」とも呼ばれます。
広げるものは、大きく2つあります。
- 危険:「ここで起きたことは、あそこでも起きないか」
- 対策:「ここで効いた対策は、あそこでも使えないか」
なぜ大事か
- 同じ危険は、同じ設備や作業のある所に繰り返し現れます。1か所だけ直しても、ほかの職場では同じことが起こりえます。
- 委員会の役目そのものです。委員会では「労働災害の原因と再発防止対策」を調査審議することとされています(労働安全衛生法第17条・第18条)。再発防止を1か所で終わらせず広げるのが、横展開です(委員会で調査審議すること)。
- 行政でも使われる考え方です。労働基準監督署の中には、事業場から出された再発防止対策を、同じ業種のほかの事業場に共有する「水平展開」を行っている例があります。
進め方
- 候補を挙げる効果のあった対策、重いけがにつながりそうな危険、起きた災害やヒヤリハットのうち、ほかでも役立ちそうなものに印を付けておきます。
- 同じものがある所を洗い出す同じ設備、同じ作業、同じ環境(雨が吹き込む出入口、高い棚、狭い通路など)がある職場を挙げます。
- 委員会で決めるどの職場に、だれが、いつまでに確かめるかを決めます。
- それぞれの職場で確かめて、対策するそのまま当てはまるか、現場ごとに確かめます。必要なら、その職場に合わせて対策を変えます。
- 結果を記録して、報告するどこで何をしたか、しなかったなら理由も残し、次の委員会で報告します。
例
第2倉庫の出入口から
第2倉庫の出入口で、雨の日に床が濡れて台車を押す人が滑りかけた。吸水マットと滑り止めシートを敷き、雨の日の始業前点検を始めたところ、滑りかけはなくなった。
横展開:同じように雨が吹き込む第1倉庫と通用口を確かめると、通用口にもマットがなかった。通用口にも同じ対策をとり、雨の日の点検の対象に加えた。
つまずきやすいところ
- 共有だけで終わる。メールや掲示で知らせただけでは、実際に確かめたかが分かりません。だれがいつ確かめたかを残します。
- そのまま当てはめる。職場によって、広さや作業の手順、人の動きが違います。対策が合わない所では、その場に合う形に変えます。
- うまくいったことだけを広げる。起きた災害やヒヤリハットそのもの(危険)を広げることも大切です。
安全ヨシでは
- 気づきに印を付けられます。気づきの入力で「横展開の候補」をオンにすると、ほかの事業所・部署にも役立つかもしれない気づきとして、委員会で話し合う対象になります。
- 効いた対策から候補にできます。対策を完了するときの有効性の確認で「横展開候補にする」を選べます。
- 委員会の資料にまとまります。委員会の Excel に「社内横展開候補」のシートができ、スライドにも一覧が入ります。
- 改善事例も配れます。5S・3T の改善事例は、横展開のチェック欄つきの PDF にできます。
App Store で近日公開
出典
- e-Gov 法令検索「労働安全衛生法」(第17条・第18条:委員会の調査審議事項)
https://laws.e-gov.go.jp/law/347AC0000000057 - 熊本労働局 菊池労働基準監督署「医療業・社会福祉施設を営む事業主の皆様へ」(再発防止対策の水平展開)
https://jsite.mhlw.go.jp/kumamoto-roudoukyoku/newpage_01563.html
例は説明のために作ったものです。
